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【開催報告】Hannover Messe 2025 から見る産業変革
こんにちは!ソリューションアーキテクトの水野です。
2025 年 4 月 24 日に製造業向けオンラインセミナー「Hannover Messe 2025 から見る産業変革」を開催いたしました。ご参加頂いた皆様には、改めて御礼申し上げます。本ブログは、セミナーの開催報告としてご紹介した内容や、当日の資料・収録動画などを公開いたします。
はじめに
今回のセミナーは、2025 年 3 月 31 日から 4 月 4 日にドイツで行われた Hannover Messe を振り返り、製造業における産業変革の最前線をコンパクトにまとめてご紹介しました。Hannover Messe については既にブースレポートとしてブログを出していますが、ブログでは伝えきれなかった AWS ブースの詳細やパートナーソリューションについてお届けしています。
オープニング
登壇者: アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 製造事業開発 設計領域担当部長 舛重 国規

オープニングセッションでは、Hannover Messe 2025 における AWS の展示内容と主要なトピックについて紹介しました。今年の AWS ブースは 1400 平米の規模で、プロダクトエンジニアリング、スマート製造、スマートプロダクト、サプライチェーン、サステナビリティの 5 つのソリューション領域に 39 の産業パートナーブースで構成されました。特に注目すべき点として、①ビジネスに貢献する生成 AI の実装、②すぐに使える Vertical SaaS の増加、③DataOps の加速の 3 つが挙げられました。 また、ブースの目玉展示として「Built for Industrial AI」コーナーでは 4 つの生成 AI ユースケースを紹介し、e-Bike Smart Factory のデモでは実際の工場ラインを再現し AWS のサービスやソリューションによる製造プロセスの最適化を展示。日本からも多くの来場者があり、AWS Japan メンバーによる日本語でのブースツアーも実施されたことが紹介されました。
Hannover Messe 2025 で見えた AWS の製造ソリューションが拓く生産性向上と競争力強化
登壇者: アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 野間 愛一郎

このセッションでは、主に AWS の展示内容から「ビジネスに貢献する生成 AI の実装」と「DataOps の加速」という 2 つの大きなポイントに焦点を当てて紹介しています。
生成 AI 実装の面では、AWS ブース内で日本のお客様の注目度が高かった Amazon Nova を活用した外観検査、現場作業者の業務効率向上、エッジでの生成 AI 活用、技術伝承、開発効率化について、具体的な応用例を解説しています。DataOps の分野では、産業データファブリック(IDF)、e-Bike Smart Factory、サプライチェーン管理、サステナビリティ、デジタルスレッド、そしてサロゲートモデルを使用したシミュレーションなど、データを効果的に活用するソリューションが紹介されています。これらの技術やソリューションを通じて、製造業における生産性向上と競争力強化をどのように実現できるかを解説している内容となっています。
AWS パートナー展示からみえる製造業の DX を加速する最新テクノロジートレンド
登壇者: アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 ソリューションアーキテクト 水野 貴博

このセッションでは、製造業の DX を加速する最新テクノロジートレンドについて AWS パートナー展示を中心に紹介しました。まず、日本の製造業でデータ活用が進まない技術的な課題として、レガシーシステムとの統合問題、データ基盤の技術的課題、セキュリティとインフラの制約などテクノロジーの課題と組織の壁や経営の理解、スキル、人材の不足といった非テクノロジーの課題があることが述べられました。その内、テクノロジーの課題に対しては産業データファブリック (IDF) とパートナーソリューションを組み合わせることで解決できる可能性が示されました。IDF パートナーとしては、HighByte、Litmus、Siemens、Snowflake、Cognite が紹介され、各社の特徴や得意分野が解説されました。例えば HighByte は産業用データ管理に特化し、Litmus はエッジでのデータ収集から分析までをシームレスに実現するソリューションを提供しています。
その他の注目パートナーとして、マルチベンダーの AGV / AMR を制御する SYNAOS、クラウド MES のソリューションとして TULIP、42Q をご紹介しました。また OT セキュリティを提供する Claroty、Dragos、Nozomi Networks なども紹介され、製造業のDXを支援する多様なソリューションをご紹介しました。
製造革新への扉:AWS パートナーと実現する業務革新の民主化
登壇者: アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 産業テクノロジーパートナーシップ ジャパンリード 小澤 剛

このセッションでは、製造業のDXを加速させる AWS パートナーソリューションの最新動向が紹介されました。特に注目されたのは、AWS Marketplace で提供される SaaS ソリューションです。また、Siemens と AWS の戦略的提携により、PLM や CAE などの基幹システムの SaaS 化が進展している点も強調されました。さらに、産業データファブリック (IDF) の分野では、日立の Intelligent Platform、Cognite Data Fusion、HighByte Intelligence Hub など、データの意味づけや連携を実現する様々なソリューションが改めて紹介されました。これらのパートナーソリューションを活用することで、製造業は生成 AI の実用化やデータ活用を迅速に進め、ビジネス価値の創出を加速できることをご紹介しました。
まとめ
本ブログでは、製造業向けオンラインセミナー「Hannover Messe 2025 から見る産業変革」の資料及び動画とその概要をご紹介しました。本セミナーをきっかけに製造業の皆様の業務革新が進むことを期待しております。今後については 6 月 25 日(水)、26 日(木)に幕張メッセで行われる AWS Summit Japan 2025 にて Hannover Messe の展示されたソリューションの一部をご紹介する予定です。皆様のご来場をお待ちしております。ご登録はこちら。
本ブログは、ソリューションアーキテクトの水野貴博が執筆しました。